Continuer. 彼らの恋は、つづいてく

お知らせ2023.1.16

もちゃろ先生インタビュー『明けの花に嘴』

大好評連載中の『明けの花に嘴』は、健気な小鳥と不器用な鷹の王、
二人の儚く初々しい愛の物語を描いた和風ファンタジーBL作品です。
その独創的な世界観を生み出すアイデアの源とは…?
作者・もちゃろ先生に詳しくお伺いしてまいります!

今回のインタビュアーは編集担当のSです。
はじめに、もちゃろ先生が漫画家になったきっかけをお聞かせください。

ウェイブさんの漫画家募集広告を見て応募したのがきっかけになります。

幼い頃からアニメーターやイラストレーター、漫画家に憧れを抱いていたということもあり、
やっぱり絵を描く仕事がしたいなと色々考えていたところ、
「完成品じゃなくても、1ページからでもOK」というウェイブさんの広告をタイミングよく見かけて。
勢いに乗ってみよう!と思い切って応募した結果、
当時の担当さんに拾っていただくことができました。

もちゃろ先生は昔から漫画や本をたくさん読まれていたかと思いますが、
特に影響を受けた作品や作家さんはいますか?

BL作品を読み始める前は、『遙かなる時空の中で』や『なんて素敵にジャパネスク』のコミカライズ、
里中満智子先生の『天上の虹』などをよく読んでいました。
それらの作品に登場する着物の表現や時代感がとても好きで、影響を受けたと思います。
あとは、陰陽師が流行った時期には夢枕獏さんの『陰陽師』や、
結城光流さんの『少年陰陽師』などの小説もたくさん読んでいました。

自分でBLを描くようになってからは、商業BL作品をたくさん読むようになりましたね。
読者として楽しむだけではなく、「こうやって作品を創り上げていくんだな、すごいな!」と、
描き手の視点からも作品を読むようになり、そこでまた色んな作家さんから影響を受けました。

同世代には響く、なんとも懐かしいラインナップです!
昔から和風ファンタジーがお好きだったのですね。

ご質問いただいてあらためて思い返すと年代問わず和風ジャンルが多いですね…!
他にも少年誌なども読んではいたのですが、影響を受けた作品で言うと、
やはり和風ファンタジーが多いと思います。あとはやはり当時のゼロサムさん系ですね…!

そんなもちゃろ先生の持ち味が最大限に活かされた本作『明けの花に嘴』を描く上で、
こだわりはありますでしょうか?

ファンタジー作品ではありますが、百鳥の楽国に生きる人々を描いているつもりなので、
世界観や種族間の関係性、朝凪と白栄のふたりを取り巻く環境など、
読者さんにより深くまで感じ取ってもらえるよう意識して描いています。

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キャラの身だしなみもそうですが、セリフも世界観にピッタリとはまっていて、
もちゃろ先生だからこそ描ける作品だなと常々感じております。

ありがとうございます!

続いて、もちゃろ先生のお気に入りシーンを教えてください。

シーンというよりはコマになるのですが、第2話の白栄が朝凪へお花を贈って謝るコマは、
良い雰囲気に描けたんじゃないかなと思います。
ちなみにこの時のお花は芍薬です。

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あとは、同じく第2話のラストシーン。
死角から飛んできた矢を視認した時の、白栄の見開き切った瞳のコマが個人的には気に入っています。

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あそこは、穏やかな朝の空気が一変した迫力のあるシーンでしたね。
鷹のように鋭い白栄の瞳に、私も心を射抜かれました!

本当ですか?ありがとうございます!

それからというもの、私は白栄推しなところがあるのですが(笑)
もちゃろ先生のお好きなキャラもぜひお聞きしたいです。

このキャラが一番好き!というのは、特に思い当たらないですね。
みんなそれぞれに愛おしさがあります。

ご自身に似ているなと感じるキャラはいますか?

本作に限らず、これまでに描いてきた作品の中でも、
自分に似ていると思ったキャラはいないですね。
あくまでも、その世界の中で生きている人たち、という認識なので
自分自身がどうというのは意識したことがなかったです。

『明けの花に嘴』は、ファンタジー作品として様々な見せ場があると思うのですが、
そういったアイデアはどうやって思いついているのでしょうか?

インスピレーションを受けるものとしては、
関連書籍の他に全国の歴史郷土資料サイトや観光サイト、郷土紹介の動画の風景などですね。
なかには貴重な文化財についての論文や記事を読めるだけでなく、
YouTubeの公式チャンネルに動画をあげてくださっているところもあるのでありがたいです。

他にも、作品のイメージに合った音楽を聴いたりしながら、頭の中でアイデアを練っています。

ものすごく研究をされているんですね。
改めて、勉強熱心な方だなと感じました。

全然そんな深いものではないです…!
ただただ雰囲気を味わいたいがために拝見してることも多いです。

続きまして、執筆中で印象に残った出来事はありましたが?

この質問について、ものすごく考えていたのですが…全く思い浮かばず(笑)
描くのに必死で日常の記憶はスゥッと通り過ぎて消えていますね。

それは作品に真摯に向き合ってくださっているからこそだと思います…!
作品づくりで行き詰まった時には、どういった過ごし方をされていますか?

本を読んだり音楽を聴いたりが主ですが、
それでもどうにもならない時は、ひたすらぼーっとしています。
お手紙やご感想なども特にここぞという時の活力にさせていただいていますね。
あとは『刀剣乱舞』をしたりとか(笑) SNSでもときどき言ってるんですが、折々で励まされてます。

新型コロナが流行する前は、電車に乗って近場へ遊びに行ったり、旅行もしていたのですが、 今はそれもなかなか難しいので…。

コロナ禍になる前は、旅行も頻繁にされていましたか?

そうですね。
本格的な旅行は年に1、2回程度でしたけど、近場で電車に乗って、
お散歩気分で息抜きをしによく出かけていました。
電車にゆっくり揺られていると、色々と落ち着いて考えられますし、
やっぱり体を動かして陽の光を浴びるというのが大事なんだと思います。

これからも定期的な息抜きを大事にしてくださいね。
作品についての質問に戻るのですが、本作で今後描いてみたいネタやシーンはありますか?

物語の結びまで大体のイメージはあるのですが、
その本筋に入るか入らないかの脇に置いているネタで言うと、
金平糖をはじめとした舶来品についてですかね。

金平糖がもとはポルトガルから伝わった南蛮菓子であるように、
『明けの花に嘴』の世界でも舶来品にあたります。
白栄が国政に力を入れたことで様々な品が手に入るようになった、という件が自分の中にはあるので、
外の国との繋がりや白栄と朝凪の関係とも併せて描けたらと思っています。

白栄の努力の元、あの金平糖は手に入っているのですね。

元々は、自身の『愛喰み(ういばみ)』の衝動が出た時に噛み砕くものとして携帯していたのですが、
第1話の婚礼の儀で朝凪に与えるシーンを好きだと言ってくださる方も多く、嬉しく思っています。

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今後の展開で描かれることを期待しております!
では最後に、読者の皆さまへメッセージをお願いします。

はぁ…これが一番、緊張します(笑)

Twitterでも『明けの花に嘴』についてたくさんの反応をいただいており、
有難いことにComicFestaさんの2022年上半期ベストヒットランキングではBL部門で第1位をいただくこともできました。
本当にたくさんの人に作品を読んでもらえているのだなと、驚きと共に感謝の気持ちでいっぱいです。

話数の間が空いてしまったりでお待ちくださっている方には本当に申し訳ないです…!
今後のお話もできるだけ早いスパンでお届けできるよう頑張りたいと思います。
白栄と朝凪が自分たちらしく歩んでいけるよう、
今後もふたりを温かく見守っていただけると嬉しいです。
いつも本当にありがとうございます!

本作を形づくる多彩な要素をたっぷりと語ってくださいました。
もちゃろ先生、ありがとうございました!
白栄と朝凪の甘く切ない物語は、まだまだ始まりを迎えたばかり。
二人が歩む未来を、皆さんもぜひ一緒に見届けてください。

☆作品はこちら↓

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☆インタビュー内容へのコメントやご感想は下記まで
comic_info@wwwave.jp

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